知ってて欲しい、外壁の種類と特長

外壁に使用する工場生産の板材を「サイディング」といい、サイディングには窯業系、金属系、モルタル系、タイル系など多くの種類があります。

今回は、外壁材の種類とそのメリット・デメリットを紹介していきます。

窯業系サイディング

まずは、一般的な日本の戸建て住宅の7割以上に使用されているといわれる窯業系サイディングです。
窯業系サイディングとは、セメントや繊維質を原料とした板状外壁材の一種です。
製造する過程で窯の中で高熱処理を行うことから窯業系と呼ばれています。

メリット:

・レンガ調やタイル調、木目調、石目調などバリエーションが豊富で、デザインによって見た目の印象が大きく異なります。

・大量生産ができるため、ほかの外壁材より比較的価格が安いのも特徴です。

・工場であらかじめ成型された素材を壁に張り付けていくため施工時の工期は短くて済みます。

・耐火性にも優れ、延焼を防いでくれます。

デメリット:

・蓄熱性が高いので、黒系の濃い色などでは夏の強い日差しでは触れないほど高温になります。室内温度にも影響を与えます。

・素材自体に防水性がないので、塗膜が劣化すると水がボード内に入り、夏の暑さや冬の凍結などにより壁の変形・反り・ひび割れを起こしてしまう場合があります。

・外壁材と継ぎ目のシーリングのメンテナンスが必要です。

なお、最近の窯業系サイディングにおいては、塗装の劣化を極力抑えるために、雨で汚れを洗い落とすマイクロガード加工や超高耐候塗料を施工した外壁材が人気のようです。

金属系サイディング

窯業系サイディングには及ばないものの、近年シェアを伸ばしてきているのが金属系サイディングです。
金属系サイディングとは、ガルバリウム鋼板やアルミ、スチールなどの金属を使用したサイディングのことです。

メリット:

・金属の種類によって差はありますが、比較的耐久性があり、腐食にも強いとされています。

・住宅用としてはガルバリウム鋼板製が多くを占めています。含まれている亜鉛が傷を修復していく、犠牲防食作用(ガルバニックアクション)があり、強度が高く耐用年数が長い点などから人気があります。

・金属サイディングに使われている断熱材の硬質プラスチックフォームは断熱性や防音性、耐震性に優れています。

・断熱材の硬質プラスチックフォームは水分吸収が少ないので耐凍害性が高いです。

デメリット:

・見た目が機械的な印象になりやすいので、窯業系サイディングと比べるとデザインの幅は限定的です。モダンな住宅向きといえます。

・表面に傷がつきやすく、素材によっては錆が発生しやすいです。

・金属板自体は温度変化により変形したりする場合があります。

・酸性雨や塩害の被害を受けやすい素材です。

モルタル壁

モルタル壁は、ラス(網状の金物)などの上からモルタルを左官で塗って、その上から塗装して仕上げるのが一般的です。
1980年代までは国内主流の外壁材でしたが、サイディングが広まってからは、その普及率は減少傾向にあります。

メリット:

・コテの先端で模様をつけていくのでデザインの自由度が高く、色を自由に選べるのも特徴です。

・不燃性のため火災の際にも有毒ガスを発生しません。

・比較的壊れにくい素材です。

・色や仕上げ方のバリエーションが豊富です。

デメリット:

・モルタルの壁は職人が直接壁に塗って仕上げるため、職人によって仕上がりの美しさに差が出ます。

・経年劣化によってひび割れがしやすく、剥がれや浮きなどが目立ちやすくなります。

・凹凸部にホコリが付きやすく、メンテナンスの手間がかかる場合があります。

タイル壁

タイルは粘土などを焼き固めたもので、見た目の重厚感や高級感があり、独特の風合いと耐用年数が長いのが特徴です。

メリット:

・硬くて傷が付きにくいなど丈夫なほか、耐久性、耐水性、耐火性にも優れ、半永久的に長持ちするといわれています。

・経年変化によって色に深みが出るのはタイルならではの面白さです。

デメリット:

・機能面に優れる分、ほかの外壁材より初期費用はかなり高くなりがちです。

・タイル自体は丈夫ですが、地震などでタイルが剥がれ落ちて割れてしまう場合もあります。

・素材自体が非常に重く、建物の構造的な負担になってしまう点もデメリットといえます。

ALC壁

ALCとは、軽量気泡コンクリートと呼ばれ、セメント、生石灰、アルミニウム粉末などに発泡剤を混ぜて細かな気泡を含ませ軽量化したコンクリートパネルです。

従来は鉄骨造りの外壁や床、屋根などに使われていましたが、最近では一戸建て住宅の外壁にも使用されています。

メリット:

・耐火性や断熱性に優れ、パネルの内部に補強材として金網が入れ込まれていることから高い強度を誇ります。

・重さはコンクリートの1/4程度と軽く、住宅にかかる負担は小さく耐震性も高いです。

・モルタルと違って工場で生産されるため、デザインや性能の差はあまりみられません。

デメリット:

・防水性がなく吸水性が高いので、仕上げ材で保護する必要があります。

・シーリング施工が甘いと雨漏りが生じることがあります。

・材料の表面強度が低いので外部からの衝撃に弱いです。

まだ、木質系外壁などもあるのですが、これだけ種類があると、どの外壁材を選べばいいのか悩んでしまうかもしれません。
次回は、外壁材の選び方をご紹介します。

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