インナーガレージのメリット・デメリットについて
住宅を建てる際に、一般的には住宅本体とは別に考えなくてはならないのは、玄関アプローチなどの外構工事と車を駐車するスペースです。
一般的に住宅の駐車スペースとしては、土むき出しやコンクリート土間だけの青空駐車、屋根が付いているカーポート、独立した建物になっているガレージ、住宅とつながったビルトインガレージ(インナーガレージ)があります。
今回は、住宅の駐車スペースについてインナーガレージのメリットとデメリットを説明しながら紹介いたします。
インナーガレージとは?
インナーガレージとは、建物の内部に設置されている車庫のことを指します。通常の屋外ガレージとは異なり、家の一部として組み込まれており、住居と直結しているため、天候に左右されずに車の出入りが可能です。
最近では郊外だけではなく、土地が限られている都市部でもスペースを最大限活用するためにインナーガレージを採用する住宅が増えています。
インナーガレージのメリット
インナーガレージには以下のような特徴やメリットがあります。
1.空き巣などの防犯対策になる
外部から車が見えないため、カーポートや青空駐車の住宅のように留守であることを察知されにくいので、盗難やいたずらのリスクが減少します。
2.雨や雪が降っても乗り降りが楽
雨や雪の日でも濡れることなく車に乗り降りでき、荷物の積み下ろしも快適です。
3.スペースの有効活用
住宅の一部として組み込むことで、土地の有効活用が可能です。
4.デザインの自由度
建物と一体化しているため、家全体のデザインに統一感を持たせやすいです。
5.車の傷みが防げる
車が外気に触れず、雨などにも晒されないのでボディの傷みが少なくなります。
6.車庫以外の使いみちが豊富
インナーガレージはただ車庫として使われるだけでなく、ライフスタイルに合わせたいろいろな使われ方をされているようです。
<一例>
・DIYやバイク・自転車いじりなどの趣味スペースとして
・ゲームやスポーツ観戦のシアタールームとして
・トレーニングルームとして
・天候に左右されないBBQスペースとして
7.リモコン操作で出入りが楽
一般的には、付属するリモコンがあるので車の中からの操作で開閉が出来ます。
8.オーバースライドドアは強風にも耐久性が高い
インナーガレージの場合、一般的なシャッターではなくて住宅の外観にもマッチしたオーバースライドドアを採用される場合がほとんどです。アメリカ製の輸入ドアはハリケーンなどの強風にも耐える強度があるので、台風などでも安心です。
インナーガレージのデメリット
インナーガレージには多くのメリットがありますが、いくつかのデメリットもあります。
1.住宅価格が高くなる
インナーガレージを設置するには、建物の構造や設計に影響を与えるため、通常の屋外ガレージよりも建設コストが高くなることが多いです。また、防火や断熱などの設備にも追加費用がかかる場合があります。
2.住宅の向きが制限される
一般的には住宅の向きは日当たりの良い南側や東向きを選ばれる場合が多いのですが、2台入りのインナーガレージの場合6M以上の間口が必要となるため、間口が十分に取れない場合にはガレージを北側にしてリビングを南側にするという土地選びをするケースが多いです。
3.住宅の居住スペースが減少する
インナーガレージを設けると、その分住宅の内部スペースが削られることになります。特に、敷地が狭い場合は居住空間が限られてしまう可能性があります。また、ガレージスペースが住宅の延べ床面積に加算されるので固定資産税などにも影響します。
なお、一般的な車庫にも固定資産税は課税されます。
4.換気や排気対策が必要
ガレージ内での車の排気ガスや臭いが家の中に入らないよう、適切な換気設備が必要です。これを怠ると、健康への悪影響や不快な臭いが問題になることがあります。
5.防音対策が必要
ガレージが住宅の一部であるため、車のエンジン音やドアの開閉音が家の中に響く可能性があります。特に防音対策が不十分な場合、騒音が気になることがあります。
6.湿気やカビのリスク
車からの湿気や水分がガレージ内に溜まりやすく、それが住宅内部に影響を与える可能性があります。特に、適切な排水や換気がないとカビの発生リスクが高まります。
7.バネ交換などの定期的なコスト負担がある
オーバースライドドアをモーターで開閉するタイプの場合、ドアの重量がモーターの負荷になることを軽減する、バネが内蔵されています。車の出入りの度にバネにテンションが掛かっているため、開閉回数と日頃のメンテナンスにもよりますが約5年から10年でバネが切れてしまいます。バネ交換は消耗品交換と理解しておきましょう。
まとめ
日本ではインナーガレージ付き住宅は、郊外の比較的土地価格のお手軽なところに建てられることが多く、更に降雪地帯などの耐雪対策として採用されています。
ただ、北米においては、雪や雨よりもハリケーンなどの風に強いことや防犯対策として、ほとんどのエリアでインナーガレージ住宅が建てられています。
そのことからも分かるように、インナーガレージ付き住宅はメリットが多く、郊外だけでなく都市部などでもスタンダードになっていくのではないでしょうか?
オスカーにおいても、当初は旦那様の方が興味を持って採用されたインナーガレージですが、生活されるに従って奥様の方が良さを感じていただける場合が多いようです。
●オスカーのインナーガレージについてはこちら
住宅のデザインや間取りだけではなく、必要な機能として考えてみてはいかがでしょうか?