~知っておきたい~地盤改良について

前回の記事では【地盤】と【地盤調査】について紹介いたしましたが、今回は調査結果に基づいて施工される【地盤改良】について詳しく紹介いたします。

◆地盤改良工事とは

地盤調査により、建築計画中の土地が「軟弱地盤」と診断された際は、地盤改良工事によって「建築物が支持できる固い地盤」へ改善する必要があります。

地盤改良工事は、あくまで住宅の建つ床面積部分に施工されます。宅地全体の改良ではないことも理解しておきましょう。

なお、地盤改良工事においては工法により費用も異なりますし、建築する住宅の配置図や床面積などで費用が変わるので、住宅を建てる施主が負担することになります。
住宅を建てる費用に、【地盤改良工事費用】も追加されることを知っておきましょう。

代表的な工法は以下のとおりです。

・表層改良工法(=浅層混合処理工法)

表層改良工法は、地盤の表層部分の土にセメント系固化剤を混ぜ、転圧して固める工法です。
建物周囲の地盤をまんべんなく固めて、地盤の耐力を高めることにより不同沈下を防ぎます。
※不同沈下とは:建物の重みによって、地盤が不ぞろいに沈むこと

改良できる地盤の深さは、地表面から2mくらいが目安です。
勾配が少なく、地下水位が地盤改良面よりも低い土地は表層改良に向いています。

床面積20坪くらいの場合で費用は約20~50万円です。工期の目安:約20日

・柱状改良工法(=深層混合処理工法)

表層改良工法で強度を出すのが難しい地盤の場合、地面に直径60㎝ほどの穴を開けて、コンクリートの柱を何本も地中に注入して深く安定した地層まで届かせて地盤の耐力を高める地盤の深い部分まで改良する工法です。

家を建てる敷地に碁盤の目のように規則正しく柱を注入していきます。

床面積20坪くらいの場合で50本以上を4m注入した場合で、費用の目安は約100万円。工期の目安:約3~5日

・鋼管杭工法

鋼管杭工法は、柱状改良のコンクリートより強度の高い鋼製の杭を地盤へ垂直に打ち込むことで建築物を支える工法です。

メリットとしては、柱状改良工法より地盤の強度が高く、小型での重機で短期間で完了することです。ただし、費用が高くなりがちなのと、施工時に騒音や振動が発生するデメリットもあります。また、支持層がない土地では施工できません。

費用は深度5〜6mで110〜140万円ほど。工期の目安:約2~3日

◆地盤改良が不要な土地を見つけるには?

このように軟弱な地盤であるほど地盤改良の工事費用がかかります。

そうなるとやはり「地盤改良が不要な土地」を探したくなりますが、どうやって調べればよいのでしょうか。

防災対策などを目的にハザードマップで液状化のリスクを公表していたり、土地の調査結果が公表されている地域もありますから、そうした資料がないか探してみるのも1つの方法です。

国土交通省の「液状化ハザードマップ」はこちら

ジャパンホームシールド「地盤サポートマップ」はこちら

また周辺に暮らしている人に、以前の土地の状態や現在暮らしている家で不具合がないかなどを聞く方法もあります。

ただし、土地の強度は100m離れるともう変わっていることがあります。そのため多くの場合、地盤調査をしてみなければわからないのです。

さらに同じ敷地内でも、地盤の強度が違うことがあります。例えば宅地の境界に擁壁(ようへき)がある場合、その周囲を掘り返してコンクリートの擁壁を備えてから土を埋め戻すことがあります。当然埋め戻した部分は強度が不足します。

ただ、その部分だけを地盤改良しても意味がありません。住宅の建つ土地の強度にバラツキがあっては地震で揺れた際に揺れ方が違うため、建物を歪ませることに繋がるからです。
そのため一部分だけではなく、全体を均一の強度にするために地盤改良工事を行う必要があります。

このように、地盤の強い土地をあらかじめ見つけることは難しいのが現状です。
土地を買って家を建てる場合は地盤改良のための工事費をあらかじめ用意しておくようにしましょう。

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