熊本地震での耐震等級2住宅倒壊の衝撃。家の耐震性の行方を考える

オスカーホームで住宅営業を担当している竹田です。

大震災となった熊本地震の被害状況から家の耐震について考える

国内としては4例目の震度7を記録した熊本地震から2か月余りが過ぎ、現地における被害状況が徐々に明らかになってきています。

日頃から住宅を提供している仕事に携わっている者としては、やはり住宅の被害状況が特に気になるわけですが、今回の熊本地震では恐ろしいほど甚大な被害が出ていて驚きを隠せません。

熊本地震での住宅被害状況(7月4日時点での発表)

全壊 8,138棟
半壊 24,915棟
一部破壊 117,261棟

※被害レベルを示す言葉「全壊〜一部破壊」の意味についてはこちらの記事で説明しています。

全壊と半壊の家にはもう住めません。一部破壊の家も何らかの修復工事が必要となるため、費用の面でも困っている方がたくさんいらっしゃると思います。

国土交通省もこれだけ大きな被害が出ていることから、現地で原因分析のための調査を多角的に実施しています。まだまだ調査は途中だと思いますが、震源地近くの益城町で驚くべきことが起こっていました。

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熊本地震で半壊したサンリブ健軍

By hyolee2 (Own work) [CC BY-SA 3.0], via Wikimedia Commons

最も被害が大きかった益城町では、建築基準法で建てられた家が全壊の衝撃

阪神・淡路大震災後の2000年に定められた現在の建築基準法では、震度7クラスの地震で即時倒壊しないレベルの耐震性(耐震等級1)を有する住宅しか建築できないことになっています。しかし、益城町では現行建築基準法で建てられた住宅が51棟全壊していました。

さらに衝撃的だったのが、2000年基準の1.25倍の強度を持つ「絶対に倒壊しない」と思われていた耐震等級2の住宅が倒壊していたことです。

この住宅については1階部分が完全に崩壊していますが、幸いにも在宅していなかったため死者は出ていません。しかしながら人命を守るために定められている建築基準法の根底を揺るがす事例になっています。

建築業界も注目する倒壊原因と今後の建築基準法の行方

この事例への業界の注目度は高く、住宅専門誌の「日経ホームビルダー」が倒壊に至った原因を究明するため、当該住宅の図面の分析を木造住宅の専門家に依頼。その結果、「直下率」の低さが有力な原因の一つではないかと思われるという現時点での見解が出されています。

直下率とは

直下率とは1階と2階がつながっている柱や耐力壁の割合のことで、構造的なバランスを評価する重要な指標として使われています。

倒壊した住宅の壁量は耐震等級2の必要量を満たしていましたが、柱の直下率が47.5%(適正直下率60%以上)、耐力壁の直下率が17.8%(同50%以上)で、特に耐力壁の直下率が小さいプランとなっていました。

オスカーホームの家の耐震性

こういった内容をみますと住宅建築には建物強度を高いレベルにしておくことは当然で、さらにバランスが良く正しい設計がなされていることがとても重要になります。

オスカーホームでは5年前から全ての家において長期優良住宅(耐震等級2をクリア)を標準としておりました。
さらに、今年からは耐震等級の最高ランクである等級3※を標準化としました。ちなみに最近のオスカーホームの施工物件30邸の耐力壁直下率の平均値は60.4%という数字が出ております。

※「耐震等級3」は、建築基準法にて定められている地震に対する強さの1.5倍の強さ。阪神淡路大震災級の地震が起こっても、補修程度で住み続けられるレベルです。

災害から命を守るだけの耐震性能で住宅を建築するわけにはいきません。我々は災害が起きた時に命と財産を災害から守るのは当然であり、災害直後でも補修する程度で住み続けることができる住宅でなければ本当の意味で【安心・安全な家】と言えないと考えて、住宅の性能を問い続けています。
これから家づくりを進められるお客様にとりましても、どんな家づくりをしていけば良いのかを考えるきっかけになったのではないのでしょうか。

追伸:耐震等級2の住宅が倒壊した事案のさらに詳しいお話をお聞きになりたいお客様は、弊社各営業所または各モデルハウスにお気軽にご来場のうえお問合せください。お待ち致しております。

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